小学生が銀座を激走
道端の菜の花が優しい香りを漂わせた2月下旬、中央区立泰明小学校の「第1回泰明マラソン大会」に参加。銀座を交通規制する大会は東京マラソンだけかと思っていましたが、この日約40人の警察官に見守られ児童たちは銀座の街を大激走。小雨降るなか、PTAの方やご年配の卒業生が楽しそうにテキパキとサポートする姿が印象的でした。
泰明小は明治11年創立の歴史のある学校。卒業生には近衛文麿さんや島崎藤村さんらがいらっしゃいます。「昨年度から特に体育学習に力を入れています」と和田利次校長先生。確かな体育知を身につける教育で、体を動かすことで育まれる言語能力や表現力、創造力を大切にしているのです。昨年から東京オリンピック教育推進校にも選定されました。
この日、一周100mの校庭を2〜3周した児童たちは銀座の街へ。全部で1kmから1.2kmを走りました。学年別のスタートでしたが、最初からトップスピードで走る人やずっと手を振りながら走る女の子などさまざまで、先生や職員の方々は「がんばって」「自分のペースでいいのよ」「いい笑顔ね」等々その人に合った言葉をかけていました。1996年アトランタ五輪水泳に出場した吉見譲さんがゲストで参加。何度も何度も児童と一緒に走る姿に「お兄ちゃんは泳ぐだけじゃなくて走るのも速いんだね」と話かけられる場面もあり、皆大笑い。私も一緒に走りましたが、以前ランニングの授業をしたケニア出身のエリック・ワイナイナさん(五輪メダリスト)も応援に駆け付けて大盛況でした。五輪選手と児童たちが自然な交流の中で高め合える素晴らしい時間で、全国にも広がっていけばいいなと思いました。
(共同通信/2015年3月2日配信)
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