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おしゃべり散歩道2015

地域の温かさ溢れる大会

 色とりどりのウェア姿のランナーたちが豊橋駅に降り、レトロな路面電車で会場へ。豊橋公園では七分咲きの桜が風に揺れ、手を振って迎えているようでした。3月29日に開催された「穂の国 豊橋ハーフマラソン」には全国から約4700人が参加。私は昨年に続きゲストとしてお招きを受けましたが、春の遠足のような豊かな気分を味わいました。
 それはコースの素晴らしさと地元愛です。スタートして公園を出ると路面電車と並走。牛川遊歩公園の桜並木をくぐり抜けて市街地を走り、後半は長閑な田園風景。豊川沿いの堤防では鶯の鳴く声が聞こえ、吉田城を眺めながら最後も桜並木に迎えられてゴールイン。日頃の疲れを癒やしに参加する人も多いだろうなと感じました。
 500人の高校生が給水や表彰式などを手伝い、その会場では豊橋名物のカレーうどんやちくわ、うずらの卵料理が販売されたり、地元アイドルのショーが行われたり。家族や友人の応援で来ていた皆さんを喜ばせていました。また昨年は鈴木亜由子さん(日本郵政グループ)がゲストランナーでしたが、今年はニューイヤー駅伝で区間賞の活躍をみせた田中秀幸さん(トヨタ自動車)と箱根駅伝の5区で好走した山本修平さん(早稲田大学)。実は全員が豊橋市出身なのです。ゴールでランナーを迎えた田中さんと山本さんは、中学、高校時代の同級生がゴールする度に肩を抱き合って大喜び。そんな姿を大会長の佐原光一市長がにこやかな表情でずっと見守っていたのです。
 市民マラソンの人気が高まり、全国各地で都市型の大会が誕生しています。そんな中で人気になるのは、豊橋のようにその地域の温かさが溢れる大会なのだと思います。  

(共同通信/2015年3月30日配信)

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