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おしゃべり散歩道2015

季節感じてジョグ俳句

 楠若葉 足ピッタリの 靴を買い
 この俳句は数年前のこの季節に詠んだもの。先日、NHKの俳句番組の主宰でも活躍されている俳人の西村和子さんとお会いしました。せんえつにも私がこれまで作った句をお見せしたところ「走ることが嫌いな私でも走ることが好きになりそう」とこの句を褒めて下さったのです。他にも「薫風や 逆上がりさえ 出来そうで」については「健康的でいい句です!」と。大変知的で褒め上手な方で、私はすっかり調子に乗りジョグ俳句の話に花が咲いてしまいました。
 ジョグ俳句というのは、ジョキングしながら感じたことや発見したことを単語で持ち帰り、後で五、七、五の器に生けることです。俳句を始めて15年になりますが、きっかけは親友の黛まどかさんと初めてお食事をした時のこと。話しながら黛さんは、紙のコースターに「ゴールして 白詰草に 倒れ込む」とサラッと書いてくれたのです。部屋中に草の香りが漂うようで、俳句っていいなぁと感じた瞬間でした。その時のことを西村さんにお話しすると「いいですね。それは俳句で挨拶をするという原点です。」と。
 この日、西村さんのお蔭で益々俳句が好きになりました。「人でも何でも、いいところを見てあげる。それがいい俳句につながりますよ」と。例えば、冬は寒くて嫌だなと思うよりも、雪が降って美しい。梅雨はジメジメして嫌だなと思うよりも、卯の花腐しや五月雨など降り方に風情があると。俳句の眼で見るとどの季節も美しいのだそうです。西村さんが生き生きとしていらっしゃり、ステキな理由が分かりました。
 四季の豊かな日本。歩いたり、走ったりしながら季節を感じて、皆さんもどこかへ出かけてみませんか?  

(共同通信/2015年5月1日配信)

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