 北の大地のおもてなし
佐藤浩市さんと樋口可南子さんが夫婦役を演じた映画「愛を積む人」が公開され、素晴らしい！と話題を呼んでいます。その映画の舞台となったのが北海道の美瑛町。先日、びえいヘルシーマラソンにゲストランナーとして伺うと「あの丘の上に家を建てて撮影したんですよ」と町の人達が誇らしげに教えてくれました。
丘のまち美瑛町はなだらかな曲線の丘に麦やじゃがいも、ビート、牧草などの畑がパッチワークのように見えます。多くのCMが撮影されていることでも有名ですが、6月26日27日は「世界で最も美しい村連合会」の世界会議が日本初で開かれ、イタリアやフランス、カナダなどから代表が訪れるのです。
今年で29回目を迎える「びえいヘルシーマラソン」を第1回から支援しているのがJR北海道。当時は富良野が圧倒的な人気でしたが、旭川から美瑛・富良野をつなぐ「田園休暇」という列車を走らせ、ランナー達を旅気分で楽しませてくれました。また大会は、美瑛産の原材料を使うカルビー、アサヒビール等々、毎年同じ会社が協賛に名を連ねているのです。人口約1万人の個性的な町で行われる大会を企業の応援が支えています。
だから他の大会と比べると参加費が安く、前日の交歓会では婦人会の皆さんが腕を振るった地元産の料理がテーブルにいっぱい。大会当日は美瑛中・美瑛高校の生徒たちがボランティアで大活躍です。横浜から参加した男性は「毎年同じ宿に泊まる仲間との再会が楽しみ」と話し、茨城から毎年仮装して参加する女性は「昨年はキタキツネでしたが、今年はじゃがいもです」と。地域のみんなが手を取り合い、訪れる人々をおもてなす場所に人々が集うのだと思います。
（共同通信／2015年6月22日配信）
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