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おしゃべり散歩道2015

高地トレに最適な環境

 岐阜県濁河温泉には白いマーガレットの花があちらこちらに。御嶽山の噴火で亡くなられた57人、まだ見つからない6人の命を供養しているようにみえました。7月5日、下呂市濁河温泉高原スポーツレクリエーションセンターで開催された第1回飛騨小坂おんたけパノラマウォーキング&ジョキングには、岐阜県内をはじめ、愛知、大阪、東京、宮城から約200人が参加。高原の空気をお腹いっぱい吸い込みながら、6.2qを歩いたり走ったり、健やかな時間でした。最後尾を歩いていた84歳の田添さんは「9月で85歳になります。毎日歩いているから調子がいいです」と。その田添さんに後半息苦しくなった早坂さんが抜かれてしまい「僕はまだ60歳なのに情けない」とガックリ。鶯のさえずりが応援歌のように聞こえ、濁河川のせせらぎに心がほっとしました。
 標高が1800mほどある御嶽トレーニングエリアは、平地よりも約2割酸素が薄いのです。そのため体が順応しようとヘモグロビンを増やし心肺機能や循環機能が高まるので、多くの大学や実業団チームが高地合宿を行っています。8月には北京世界陸上競技選手権へ向けての直前合宿に、米国と英国チームが訪れる予定。
 センター内には東京大学名誉教授(体育学)の小林寛道さんが生み出した動きづくりの機器数台が並び、食堂では管理栄養士の方々による献立メニューが。一泊8000円で朝、昼、晩の食事つきに温泉も。トップ選手だけでなく、高校生や記録を追う市民ランナーにも良い環境だと感じました。この日、私と一緒に参加した元ワコール陸上競技部の湯田友美さんは「海外に行かなくてもいいですね」と。練習や健康づくりの拠点になりそうです。

(共同通信/2015年7月6日配信)

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